IBMのx86系サーバーx3105、43472AJの中身を(ほぼ)最新の自作PC構成に総入れ替えしました。本日は「IBMのx3105中身総入れ替え!古くなったメーカー製PCを自作機にする」についてです。
猫ITソリューションズ代表の齊藤です!
川越でWeb制作を請け負っておりますが、川越のお客さんが全然居ない齊藤です!この状況を何とかしたい齊藤です!皆さんこんにちわー!(こーんにーちわー)
...と、それはさておき、今日は元猫ITソリューションズのwwwサーバー、現メインマシンであるIBMx3105、43472AJの中身総取り替え換装記録を綴りたいと思います。
IBM System x3105「IBM Express ポートフォリオ」 対応モデルの発表
IBMのx3105、43472AJは2007年発売のx86サーバーですが、IBM初のAMD系CPU搭載のサーバーだったと思います。小規模ビジネスをターゲットとした格安サーバーですが、ビジネス用途よりも一部自作PCマニアの間で「格安でIBMのサーバーが手に入る!」と話題の的でした。自分は勉強のため自宅サーバーをこさえたいと思っていたところなので、このx3105を2台(HAクラスタ構成を想定していたので全く同じ構成のサーバーが必要だった)購入しました。
その後、猫ITソリューションズは事業として走り出しましたので、サーバーメンテナンスの手間を考慮して、サーバーは自宅ではなくVPSとなりました。そしてx3105は完全な置物になっていました、、、
が、ここに復活です。
仕事用の超高速PCが必要になったので各社を検討したのですが、見た目にどうも納得できない。x3105みたいにかっこいいマシンはないものか?よーし、だったら!みたいな。まぁ仕事用といっても、Google Chromeが高速に動いてほしいというだけなのですが。
誰の役にも立たない記事が多い猫ITソリューションズブログの中でもトップクラスに役に立たない記事(x3105ユーザーでかつケースを気に入っている人がどれだけ居るか...)ですし、かなりの長文ですが、よかったら見てやってください。
ケースを電動のこぎりで切ってドリルで穴空け
なぜこんな手間が必要なのか?
単純な話で、市販されているマザーボードはメーカー製PCのケースには物理的に入らないからです。
これはIBMだろうがDellだろうがNECだろうが富士通だろうが同じで、ケースがミニタワーでもスリムでも変わりません。規格の話で言うとメーカー製PCのフォームファクターのほとんどはBTX系またはオリジナル、自作市販のケースまたはマザーボードはATX系でのファームファクターを想定されているからです。これがあるからメーカー製PCやサーバーを改造するのに手が出せない方が多いのですが、頑張るしかありません。
ちなみにメーカー製PCといってもドスパラなどのショップPCはまず間違いなくATX系フォームファクターで、DellやNECなどの大手企業による「まさにメーカーPC」はBTX系またはオリジナルのフォームファクターです。たまにATXのを出したりもしますがほぼ無いに等しいです。
x3105(43472AJ)の全貌。これのリアパネルを完全にとっぱらって、左サイドカバーを開けられるようにしなければならない。(右はメンテ用として開閉可)
バックパネル。元のマザーボードと入れ替えるマザーボードでは当然バックパネル(の穴)は全く合わない。よって入れ替えなければならない。今回はアクリル板で自作したバックパネルに入れ替える想定なので、サイズを測り「こうやって」写真に撮っておく。設計図代わりです。
作業開始。当然マザーボードや電源などは取り外し済。リアパネルは電動のこぎりで切り抜くとして、(正面から見ての)左サイドカバーはどうやって外すのか?
左サイドカバーはリベットで固定されている。リベットにドライバをつっこんで回せばあっさり取れる。これに気づくのに時間がかかった。
リアパネル切り抜きの図。左サイドパネルは仮止め状態。左下に謎物体があるけど後ほど解説するので気にしないように。この時点でケースについた削りカスを全てきれいに除去しておかないと、故障の原因になるので注意。
マザーボードを載せる板を自作
マザーボードは左バックパネル内側に元と同じく固定します。が、元のマザーボードはBTX、今回載せ換えるマザーボードZ97M-PLUSはmicro-ATXとフォームファクターが異なり、ケースに固定するためのネジ穴の位置が違います。よって、マザーボードを載せるアクリル板(以下マザーボード台)を間にカマします。図解するとこんな感じ。
--------マザーボード---------------
|スペーサー |スペーサー
--------マザーボード台------------
|ねじ |ねじ
--------左バックパネル内側--------
ちなみに今回載せ換えるマザーボードはmicro-ATXですが、これはケースの大きさも測らずに「micro-ATXなら大丈夫だろう」という考えで適当に選んだに過ぎません。何となくの(内部の)大きさからしてATXでもイケるはず。むしろCPUファンやビデオカードの大きさに気を配るべきかと思います。
アクリル板を切る準備。一枚のアクリル板からパックパネル・マザーボード台両方を作ってます。バックパネルのサイズは正確にしないといけないけど、マザーボード台はマザーボードと同じ大きさか、ケースに収まる程度に多少大きくする。アクリル板は猫ITソリューションズ御用達のホムセン、ケーヨーデイツー川越店で購入。
アクリルカッターで線に沿って溝を彫る。
ある程度彫ったらパキッと手で割れる。
当て込みテスト。大きさは合ってるかな?良かった合ってる。多分。
マザーボード台とマザーボードを合わせて、ネジ穴位置を油性マジックでマーキング。
マーキングしたらピンバイスで穴を開ける。これは穴を開けてからスペーサーを立ててみたところ。この上にマザーボードを載せる事になる。その他の穴は左サイドパネル内側に固定するためのねじ穴だ。
左サイドパネル内側に固定したところ。ねじ径は元マザーボードも新マザーボードも同じだけど長さが違かった。よって元のねじを使う。
バックパネル板を自作
元のマザーボードと載せ換えるマザーボードではバックパネルのI/O・PCIスロットの穴位置が異なる。よって自作する必要がある。しかしバックパネルを完全にゼロから自作するのは素人には不可能。なのでPCIスロット部など元バックパネルから流用してニコイチにします。何を言っているのか分からないと思いますが、画像を見れば分かると思います。
バックパネル切削前に計測したサイズを元に、先ほどマザーボード台といっしょに用意したアクリル板を「くり抜き」。しかしアクリル板のくり抜きはまともにやると手間と時間がムチャクチャかかるので発泡スチロールカッターでくり抜いた。詳しくは後述。
くり抜いたアクリル板に元バックパネルのPCIスロット固定部・排気孔と、マザーボードについてきたI/Oカバーを合体。バックパネルの完成だ。くり抜き前と後で微妙に「何かが違う」けど気にしないように。
フロントパネル(USBポート・電源スイッチ・ランプ)を接続する
フロントパネルにはUSBポート・電源スイッチ・アクセスランプが付いています。これは出来ることならそのまま使いたい。でも、フロントパネル自体はそのまま流用できるけど、マザーボードに挿すコネクターの形状が異なるという問題があります。なので既存フロントパネル接続用ケーブルを新マザーボードに挿せるように変換するコネクターを用意しなくてはいけません。ちなみに用意といっても「変換コネクター」といってズバリ売られていないので自作する必要があるのです。これが今回の記事のキモかと。
フロントパネルとはコレのこと。別に用意することも出来るけど、元のケースの見た目を重視するならやはり流用したい。
これが元のコネクタ(メス)。規格は2mmピッチ。しかし載せ換えるマザーボード側は2.54mmピッチ。写真ではケーブルは1本だけど実際は2本。
コネクターのピン配列はマザーボードにプリントされている。要はこの配列をそのまま2mmピッチコネクターで用意すればいい訳だ。
ヘッダーソケット・ヘッダーピンを購入。そこいらの電器屋には売っていない。自分は共立エレショップからネットで購入。
【共立エレショップ】>> I型ヘッダーソケット 2列x5(10pin): 【能動・受動・機構パーツ】 << 電子部品,半導体,キットの通販
【共立エレショップ】>> 2mmピッチコネクタヘッダーピン 2列10P[RoHS]: 【能動・受動・機構パーツ】 << 電子部品,半導体,キットの通販
これをはんだで接続。
絶縁と固定にはホットボンドを使用。猫ITソリューションズ御用達の100円ショップ セリアいなげや川越店で購入。
ホットボンドで絶縁・固定。2つ用意。
ピン配列変換ケーブルも2つ分用意。これまた猫ITソリューションズ御用達のソフマップ川越店で購入。
最終的にはこんなんなる。あとはマザーボードに接続すればOK。
既存エアフローカバーを切削
BTXのもうひとつの違いは冷却方式です。ATX系は基本的に排気ですが、BTXは吸気。x3105は前面ファンから吸気し、吸気された冷たい空気は前面ファンに取り付けられたエアフロー(空気の流れ)確保用カバーに沿って流れます。しかしこのエアフローカバーも元マザーボードを考慮した専用設計なので、載せ換えるマザーボードとは緩衝してしまいます。なのでエアフローカーバーとマザーボードが緩衝しないように削ってやらないといけない訳ですが、やはり何を言っているのかさっぱりだと思います。画像を見ればわかるかと。
これがエアフローカバー。付け根方向がケース前面で隠れて見えないけどファンが付いている。かなりの爆音で強風なのはさすがサーバーといったところか。
メモリを挿してないのに既にこの距離感。これが緩衝。ぶつかる。よってカットしなくてはならない訳だが、このカットもアクリル板同様に手間と時間がムチャクチャかかる、、、
そこでこの発泡スチロールカッターの登場となる。そこらの発泡スチロールカッターではアクリル板や今回のようなプラスチックは切れないけど、コイツには「ターボモード」が搭載されているので、アクリル板もプラスチックも切れる。
白光(HAKKO)発泡スチロールカッター 電源式
価格:2,411円(税込、送料別)
...とはいえ一刀両断という訳ではなく熱で切るそばから、熱でまたくっつく。なので切れ目を入れたら折り曲げるなり叩くなりする。さすればパキッと割れる。ちなみに切るサイズは適当でなんとなく半分から切った。
パキッと割ってやすりをかけてこの通り。ちなみにこの発泡スチロールカッターは色々重宝している。一家に一台あってもいいかと。
組み立て
準備は整いました。あとは組み立てです。
バックパネルを取り付け。
左側は元のケースねじ、右側はリベット穴に自作PC制作では一般的なPCねじを利用。
マザーボード台を取り付け。
元のマザーボードを固定していたねじを流用。載せ換えるマザーボードを固定するスペーサーも自作PC制作では一般的なスペーサー。
マザーボードを取り付け。
スペーサー用ボルトで固定する。
配線・各パーツ(電源・CPU・メモリ)の取り付け。
動作確認。
動作確認はOK。配線整理。これは冷却(エアフロー)にも影響すると思われる。(そもそもBTXエアフローをそのまま使ってる時点でアレではあるが)
完成
ついに完成!
正面の見た目は全く変わらず。しかしコイツは羊の皮をかぶった狼。今日も猫ITソリューションズの制作を支えています。
CPU | intel Core i5 4460 |
グラフィック | intel HD Graphics 4600 |
メモリー | CFD W3U1600HQ-4G DDR3(PC3-12800) 8GB |
マザーボード | ASUSTeK Z97M-PLUS |
記憶装置 | crucial BX100 250GB |
電源 | 玄人志向 KRPW-L4-600W |
CPUファン | リテール |
ケースファン | Owltech SF9-S4 ※うるさいので交換した |